最近では、さすがに手描きで図面を書いていると思っている方は少ないと思います。皆さんが思い描いているように、現在は、パソコンで図面を描いています。手描き時代の味のある感じは薄れましたが、パソコンで、線を引いて、プリンターで出力して、図面を持ち歩くというのが一般的です。
因みに、図面とは、建物の計画が分かる情報、例えば、間取りや設備の配管、商品の品番などを紙に書き込んでいるものを呼んでいます。今回は、その図面の最新の描き方、それから得られるお客様のメリットを簡単に紹介してみます。
現在、図面の描き方には、3種類あります。
パソコンで図面を作成する時代までは、手描きでした。その後、1990年代には、パソコンが普及し、CAD(キャド)が利用されるようになり、手描きの図面は減少していきました。
CAD(キャド、Computer Aided Design、1990年代〜現在の主流)とは、パソコンで、図面を引くためのソフトウェアです。パソコン上で、CADソフトを使って描いた図面をCAD図面と呼んでいます。そして、プリンターで紙に出力して、図面として持ち歩いて使うのが一般的です。
そして、今は、パソコンで、立体的に建物を構築(モデリング)し、図面として表現する時代になりました。別の言い方をすると、パソコン上で、疑似的に建物を建てるという感じです。
この描き方をBIM(ビム)と呼んでいます。
BIM(ビム、Building Information Modeling、2009年:BIM元年)とは、パソコン上で、立体的に建物を3Dモデリングして、これまでの図面と同様の表現も出来るソフトウェアのことです。更に建物のあらゆる細かい情報も付加しながら、モデリングも行えます。パソコン、スマートフォン、タブレット等で、3Dの状態で、建物の中をグルグル見たり、歩いたりもできます。
現在は、CADからBIMへの移行期となっています。CADに比べて、BIMは、高価で、知識が必要なことから、少々普及速度が遅いのが実状です。
エスエヌジーデザインでは、すでに約10年程、BIMを採用して図面を描いて設計してきました。BIMを実務で使う設計事務所は、まだまだ少数派です。それでも、今後は、公共事業等もBIMに移行してきているので、業界的にBIMが標準スタイルになる時代は、時間の問題と言えます。
BIMは、設計者側にとっても大きなメリットを与えてくれます。そして、一般の方にとっても、メリットは大きいです。実際に私どもの経験からお客様の反応をみても、そのメリットは、立証済みです。
それは、「建物のイメージが簡単に理解できる。」ということです。
建物の計画内容を紙の図面で理解すること無く、立体の建物をありのままで、確認出来るので、イメージが容易に出来ます。もちろん、バーチャルリアリティでも、確認することもできます。
現に私どものクライアントとの打合せは、BIMで3Dで確認しながら、説明を行っております。図面はメモ用紙として利用しているだけです。私の経験上、BIMは、一般の方にとって、図面と模型の組合せよりも理解が容易で勘違いが少ない方法だと感じています。
以上となります。如何だったでしょうか?今回は、BIMの概要紹介でしたが、もう少し、一般の方にとって、BIMって、どんなものなのか?今後、コラムで企画してみたいと思います。お楽しみに!